恋子

たぐる夢おさげの君ははにかんで恋をつまんで好いとるけんね

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恋子

寝化粧の紅の乱れの恥ずかしく寝息憎しや散った恋化粧

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恋子

窓を打ち軒を滴る春の雨枕辺濡らし恋路ほどかれ

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山下萌々子

二百色の白の中で卯の花を選ぶみたいに君が好きです。

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山下萌々子

紺の袖口を掴んで付いていく梅の香りに気付けないまま

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恋子

あかんたれほかしたつもりがほかされて恋の亡き骸道頓堀へ

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恋子

畦道で抱いてと言われ中坊のオスがしぼんだ精いっぱいの恋

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恋子

ふるさとは恋の保管庫鍵もなくセピアの色香ただよう青春

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恋子

花もよし酒のなおよし夫婦坂恋を忘れた狐と狸

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恋子

春みちて磯の溜まりの小世界小さな蟹の小さな恋路

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