梅鶏 手
梅鶏
だいだい 切り身しか触れぬ我に微笑みて器用に開く彼の右手は
クルクルバニー ちっこいな 人の器は 手の平に 乗せて零れる 小さな茶碗
屁の河童 手を上げて招くススキの姿より男心をそそる白はぎ
深山睦美 落語家がうまそうに蕎麦をすすったら、手話通訳者も一緒にすすった
だいだい 四ドルで視点をひとつ手に入れるクルーグマンのコラム読みたし
リオ 咽び泣き手向けは遠く気仙沼花も涙も波に託して
クルクルバニー 神の手に 委ねられたる 人生を 送るべきなり 決心の末
クルクルバニー 赤き実を 摘まみ取らんと 草むらに 手の差し伸べて 藪蚊の餌食
宮本なぐり 