塩本抄 手
塩本抄
塩本抄 帰りたくないのはおなじ 泣きそうな夕暮れの手を引いて歩いた
宮本なぐり 水着とか持ってないよと言う僕の手をとり海に連れ出してくれ
雨露 さようならまた会う日までと手を振れど 二度と帰らぬ過ぎ去りし人
宮本なぐり 細すぎる手首に傷が増えるたびエゴと愛とで泣きそうになる
クルクルバニー 愛される ことが苦手な 二人には 他人のままが 一番似合う
熱海に行きたい きらきらと騒ぐ緑が太陽に手を伸ばしてる休日の昼
はるまま 歩きながら触れた手を握り返さぬことで知る思春期
熱海に行きたい 木々たちは風に揺られてなお月に手を伸ばしてる高望みして
クルクルバニー 