文芸選評

だいだい

母さんは恋をしているこんにゃくを食べて夜中に縄跳びをして

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梅鶏

子に敢えて願いを込めぬ名を渡す負けを一つは減らせるように

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梅鶏

つまらない嘘を泉に落としたらブラッシュアップされて出てきた

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ふにふにヤンマー

鉢巻の左右に蝋燭捩じ込んで白装束で配る新聞

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ふにふにヤンマー

デモ隊の中に濡れゐる老人の耳には飴の色の補聴器

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だいだい

ほんとうの年収を切り出せないでいる君の三倍稼ぐ女は

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だいだい

一杯の紅茶を飲んで話し出す誰にも話したことのない話を

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だいだい

帰るべき場所があるからアンコールを止めるためにつく非常灯

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梅鶏

父の手で林檎は兎、わたくしは存在してもいい人になる

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梅鶏

駅前を「街」一言で表した地元でたった一つの都会

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