中原鼠栞

睫毛に付く水滴、それを息だと笑うそんな春の始まりは

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風来坊

早春や 頬刺す風は 冷たくも 午後の陽射しの 温もり愛し

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風来坊

眠い春 幼児の夕げ とろとろと 食べて微睡む 夢みる笑みが

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風来坊

もう降るな 吹雪が春を 遠ざける じょっぱり津軽の 春呼ぶ願い

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はるるあお

玉筋魚のくぎ煮を見つけ春来たる喜ぶがすぐ解凍の文字

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澄水

春の夜の光かそけき星星のぬばたまの闇眠る人々

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澄水

春の夜の光かそけき星野間

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澄水

肩抱いて眠れるわれもなまめかし空気モーツァルトゆるむぬばたま春夜

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澄水

日は伸びて春となりゆく星宿もぬばたまの夜あかねさす昼

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澄水

早春賦すれ違わぬように気を付けて君の言葉を繰り返す僕

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