羹鱠

色秘めて 奏づ琴音を 知らずとも 萌ゆる春芽と 逢はんと思ふ

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澄水

小春日の月は東に日は西に良い夕暮になりそうな気が

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山椒魚

小春日に 紅きもみじを引き散らす この恋心 山嵐なり

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屁の河童

伊勢の海に神代に帰る春立ちて天の戸出づる朝日子の影

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屁の河童

春秋の花の時にも咲かざりしわが身古野の霜の下草

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羹鱠

雪もふり 小春に咲き出 山茶花の 香る暦を ときと思ふや

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春海

あたたかさに顔のぞかせた鎖骨から 滑り落ちるはじまりの風

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塩本抄

苗床の役目を終えた教室の窓から春が吹き抜けてゆく

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まちこ

蚊の羽音が聞こえて明かりをつけた青春が終わったことを知る夜

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まちこ

ブランコが春の季語だと知ってから秋は一層寂しく揺れる

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