羹鱠

明けの春 雑煮の香る 団欒や 蓋取る椀に 澄みたるこころ

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羹鱠

ひさかたの そら差し仰ぐ 小春日に 辻にかをらる 椿のそより

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塩本抄

婦人服売り場の眩しいきみどりよ黙っていても春は春だね

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木村槿

くちびる、とひらがなで書くはなびら、の類語みたいと気づいたら春

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かたつむり

シャボン玉の色を三十一文字で歌って、もうすぐ春風が吹く

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葛葉

新しき日に君居らずただ独り空いた右側春風が行く

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ひなたグランパパ

初孫が言葉覚えて春近し

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中村まふゆ

クレヨンの匂いが残るキミの手に目隠しされて春を待つ日々

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梅鶏

思春期のサイレンだった 子の声は私の横で低くなってく

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葛葉

戯れに君が好きだと言った色ふと身につけてみたくなる春

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