杉山美加 朝
杉山美加
澄水 朝の空半月かすめ飛行機が雲引きながら何処へ行くやら
秋山夕介 背比べ柱の傷に涙せし齢十九で嫁ぎゆく朝
ブラック企業戦士 目が覚めて えずきが止まらぬ 朝だけど 立ち向かうのさ 自分を殺して
澄水 何時の日も朝日は昇る雨の日も星に終わりがあるなんて嘘
凪いだ海の上の 朝食のシチューが喉までせり上がる 手にはテストが 見るにこたえる
ろくろう 犬つれて今朝はどこまで行きたるか食事ごろにも妻の戻らぬ
Tanka-修一 カキーーン、朝の校庭、野球小僧 春風に乗せ、元気を飛ばす
だいだい 鷗らがひらりと盗む魚まで飛んでいるよう港の朝に
澄水 