梅鶏 木
梅鶏
四月一日 涼し日の 若葉よりさす 木漏れ日よ その日明かりに 君は覚ゆる
クルクルバニー 田舎道 突如現る 大木に 意味も解らず 墓の入口
梅鶏 もう君のものでもいいよ眠る子が夏の木陰を離さずにいる
十口八 水やりて つゆも実らぬ梅の木を ながむる間にぞ 去らまほしけれ
梅鶏 引き際は私が決める 花であることを選んで枯れる木蓮
玲 かげの馬 夏木のやうなる その軀 麗しきこそ 斜めなりけれ
羹鱠 眩しいね 呟く君の 笑顔にも 青葉一色 輝る木読みかな
クルクルバニー 吠えてなお 誰も聴かない 短歌にて 木霊のように 響いて鳴りぬ
里野 