ひらりや

傘ならさしてあげるよわたし あなたに必要なのは止まり木

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柔らかい時計

陰と影 違いを描けば手のひらと木炭紙へと降る黒い雪

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だいだい

かの年が水星人の大殺界なれば逝きたり細木数子は

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袴田朱夏

初雪をかぶった並木道を抜けシュトーレンならナッツねわたし

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かなた小秋

どこからか種が運ばれ根を張ったあの木のように強くありたい

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塩本抄

いろはすをふたつ掲げて立っている木陰のひとよ抱きしめにいく

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御影堂 歩

いつだって木から春が落ちるのは一瞬 天にペルセウス座が

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森山なつめ

金木犀香らば香れまなうらのをとこを葬りこの秋とする

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北大路真彦

浜辺には朽木ひとつが転がりて口笛吹けど掠れ消えゆく

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北大路真彦

秋ひとり甘く煮られた大根を噛めば木枯し燐寸の匂ひ

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