東京歌壇

吉村おもち

白菜を選ぶあなたはどことなく面接官の顔をしている

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吉村おもち

わたくしも語り部となる入社時の歓迎会の話をすれば

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音羽凜

会議からやっと抜け出し屋上で犬の形の雲を見ている

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鈴木精良

手づかみでゆるされていた頃があり、崩すピンクのバターケーキを

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吉村おもち

店長のピアスに朝が宿りだす開店前のスターバックス

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菊華堂

伏線は回収されずあの頃のぼくと出会って光るといいな

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鈴木精良

仄暗(ほのやみ)の背中は砂丘つめたくて心のありかへ辿れなかった

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吉村おもち

年上の同期と交わす軽口も日常になり秋は深まる

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吉村おもち

駅前に鳥の大群が現れて防犯ベルのような夕暮れ

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吉村おもち

あの人は島に帰って南から吹く風すべて歌に聞こえる

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