塩本抄

学祭の立て看板を描き終えて缶コーヒーは夜明けの祝杯

0
梅鶏

ハイターに半分だけをつけこんで女王様はまな板焦らす

0
伊藤まり

この街の灯台だろう眠らない東横インの青い看板

0
丁香花 古

イオンから離れるほどに看板のマゼンタ色がよく溢れだす

0
今紺しだ

黒板がチョークに触れるところから絶え間なく降る重力加速度

0
今紺しだ

詰めが甘い雑巾おれに貸してみと黒板受けを拭きなおす君

0
まさけ

黒板に残った彼の筆跡をややゆっくりと消す昼休み

1
音羽凜

透明なアクリル板に囲まれて落ち着くわれは 盆地の生まれ

0
朝田おきる

俺の中の武田鉄矢が黒板を「金」という字で埋め尽くしている

0
とみた律

もう君は立つことのないキッチンに消えることないまな板の傷

1