鞘森天十里

西行がいまの桜を見たりなばいかが見るとや知る由もなし

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鞘森天十里

啄(ついば)まれ落ちて踏まれて桜花土に還りてまた咲きたまへ

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鞘森天十里

山村の荒れ田の中の里桜しづかに咲きてしづかに散りゆく

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鞘森天十里

満開の枝垂れ桜に隠るごと命削りて老梅の咲く

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鞘森天十里

厚き雲に赤味をほんのり足したなら桜の森に見えないだろうか

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鞘森天十里

止まりをる桜の下のパトカーは花の開くを見守りたるか

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鞘森天十里

春ぞ来る烏が新居と定めしはいざ咲かむとす桜の樹のうへ

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恋子

夜桜の酒まで盗む絶景につられておかし恋まで盗み

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恋子

薄茶立てひとり優雅の花見して恋茶に遠き桜餅食む

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澄水

桜咲く辛夷も少し咲いている春爛漫のおらが村かな

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