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梅鶏
幼子は「今日ね、今日ね」と喋りだす真夏の土の匂いをさせて
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梅鶏
梅鶏
抱きしめた過去を手放すようにして素麺の帯は広がってゆく
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梅鶏
梅鶏
ふくらはぎ辺りが光る金属の義肢は夕陽を筋肉にして
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梅鶏
梅鶏
ミスとして処理をされない釜飯のおこげ上司は美味そうに食う
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梅鶏
梅鶏
葉も影も増す遊歩道初めての子に付ける名の候補は三つ
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梅鶏
梅鶏
魂の抜け殻として体操着五月の風に乾かされゆく
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梅鶏
梅鶏
十キロのあきたこまちを眠る子のように静かな助手席に置く
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梅鶏
梅鶏
詳細をぼやかしながら残していく白黒コピーのようなトラウマ
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梅鶏
梅鶏
段ボール一つ畳んでまた一つ畳んで春の日は過ぎてゆく
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梅鶏
梅鶏
まだ君の飛ぶことのないヒコーキの折り目すべてが成長だった
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梅鶏
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