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梅鶏

「団結」と背中に書いたTシャツがずっと一人のまま過ごしてる

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梅鶏

職質のたびに目の行く警官の使い込まれているG-SHOCK

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梅鶏

感情を持たぬ埴輪の眼のように底の見えない池を見ている

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梅鶏

子の営むお店屋さんは十円の飴玉一つ千円で売る

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梅鶏

見上げている人の心を知るようにとんびは空に丸を描いた

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梅鶏

無理矢理に花の命を繋ぐごとワイシャツに糊を効かせてしまう

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梅鶏

軸足を高校指定のローファーに少し形を合わせて入れる

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梅鶏

いくつもの洗濯ばさみに挟まれて夏の夜風に晒されている

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梅鶏

遠い日の逃げ水を見る延々と母の話を聞く夕暮れに

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梅鶏

セブンティーンアイスに蟻が群がってここでの飢餓は無くなりました

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