パパ猫

夕焼けの瓶詰めひとつくださいな。母に贈るの、お代はここね

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深神鏡

小さな子 母の手繋ぎ 歩きゆく 幼き頃の 尊い日々よ

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パパ猫

遠い秋 稲刈あとのイナゴ獲り 母の喜ぶ顔が見たくて

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芒野予麗

亡き祖父の面影知らず祖母さへもわれ出づるまへすでに逝きかば

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パパ猫

父母を苦しめた祖父逝く夜に子どもの私は安堵に包まれ

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恋子

鉢植えのひとつの夏や鬼子母神小粋を求め今江戸風情

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梅鶏

兄という資格を貰う吾子の手のさするお腹のあたたかきこと

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双極性障害者

鬱の子 死にたいと言う 癌の母 そうかと言う 同じ方を見る

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芒野予麗

無機質と有機質との端境に海月の居りて母を思はば

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恋子

鶏が一羽居らんと子の叫び母は慌てず腹で鳴きよる

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