パパ猫

多摩川の向こう岸からたんぽぽの綿毛がひとつ通り過ぎてゆく

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ゆずまる

うぶ毛たち、剃らなくていい 予感あり 酸素吸うより甘夏たべたい

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虎翁

ねこがともだちのうさぎの毛をなめてととのえてから牙を刺す午後

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カンナ

右車線ヘッドライトが連なって光り輝く巨大な毛虫

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パパ猫

たんぽぽの綿毛にそーっと手のひらで飛ばすのは風わたしではない

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パパ猫

たんぽぽの花と綿毛が並んでてこれがこうなるどうすりゃこうなる

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恋子

抜く襟に後れ毛妖しゆく春の女将の流す目もとの涼し

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パパ猫

青空へ「春」と書きたい毛筆で 何て悪趣味気づいてやめた

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澄水

蒲公英は綿毛飛ばして種を蒔くわれは短歌の種を蒔きたし

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澄水

葉桜のトンネル抜けて散歩すりゃ緑の毛虫連れて帰るよ

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