塩本抄

足もとの砂を攫つてゆく波を恋に喩へてしまうのですか

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雨露

夢を見る 打ち寄せ返す波の間に ゆらり佇む小さな小舟

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南あたた

砂も鳴けもちつもたれつ波の音夕方に聞く道かなしけれ

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まちこ

夏の海あなたに告げるさよならが寄せては返す波のいたづら

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字寺宵

夕暮れの波が押し寄せ沖合へ孤独はこんなに楽しかったの

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雨露

遠浅の波を硝子に閉じ込めた 碧く冷たく寄せ返す潮

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ごいそ

「寄せては返す波」ナチュラルな陸から目線 沈んだ人は静か

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夏近

光る星見つけた後に来る波の暗さ冷たさこの上もなく

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蟄文亭燕雀

雨露の末国を嵐が乱じては いつの時にか波の凪ぐ時

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銀河

海中に白き船影たゆたいて悲劇の沈む知床の波

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