パパ猫

雨落ちる池の波紋の真円を鯉の背中は無邪気に崩し

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パパ猫

露落ちて波紋が生まれ戻る間に閉じ込められし永遠のとき

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恋子

波の間に揺れて妖しく夜光虫全裸で泳ぐ深夜の美術

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パパ猫

水たまり広がる波紋はつぎつぎと若い波紋に消されてゆくよ

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澄水

時鳥谷間に響く時の声青田風吹く稲の細波

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ゆりさか

さざ波と歓声 大玉すいか 跳ねる赤

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恋子

波間には恋の亡き骸プカプカとゴメの鳴く哭く経を唱える

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恋子

春終い告げる雨音窓を打つ田水の波紋名残をとどめず

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中原鼠栞

眼前は奥州こへて波の花つかれたこの身しばし預けん

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恋子

人波に逢瀬のあとの残り香が逃げていくよで思わずダメと

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