奥嶋ハル

汽水域の胸に託して追うきみと 夏の海ただ美しいだけ

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宵闇

この星の住所は海というように雨が幾度も幾度も来る

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うしめ

忘れたりスマホ持たぬは久しぶりそうだ今日は海まで行こう

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恋子

船溜まり海のネオンの漁火の魚を騙す船の正体

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パパ猫

凪の海うねりがひとつ起きるとき密かな夜の月はそぞろに

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悠久

背負いし子陽の海面に沈む見て小さき声で「じゅっ」とつぶやく

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恋子

陽の跳ねる目には眩しき波がしら五月の海の春を押しのけ

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パパ猫

妻と書く宿帳哀し熱海の夜 昭和は遠くなりにけり

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パパ猫

若かりし母は口で鳴らしてみせた海ほおずきの優しい記憶

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パパ猫

江ノ島の海で遊んだ帰り道スマートフォンの砂の手触り

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