サルトビ

嬉し悲し 海に眠りし 遺骨をと 検査に応じる 弟百超え

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サルトビ

熱海にて 若者の夢 広がりて 魅力を放つ 温泉街よ

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パパ猫

行商のばあちゃんいつも連れてくる 海の匂いが大好きだった

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サルトビ

海底に 埋もれし遺骨 三十五万 遺族のもとへ 帰れるものか

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平見翠玉

海の無き街の書店で海の香りする詩集を買う

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広すぎる三十一文字の海泳ぐブイは遠くへ雲は近くに

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主婦

結婚はしたくないのと泣く少女海の向こうの涙流れる

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めるへん

「アチアチ」と騒ぎながらも子どもらは焼けた砂蹴り土用の海へ

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埋れ木甘し

さざ波の 海に溶けゆく 夕映えの 眩しさだけを 瞼に焼きつけ

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サルトビ

終戦後 七十八年 生存者 心の交流 海をも超えて

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