みそのみそ 眠
みそのみそ
青い こんなにも 眠り続けて 過ごしたら いばらのとぐろで 百年過ぎそう
瓜野櫂 眠剤を飲んで効くまでの魔のときよ 小さな死に立ち向かうとき 独りね
土居 文恵 まっしろなシーツの上で眠る人々を束ねる神のホチキス
吉村おもち 冬眠をしないつがいとして暮らしいろんな味のスープを試す
柔らかい時計 子に添ひて眠らば迫る検査日の憂ひをひととき忘れてしまふ
土井みほ どこまでもどこまでも泳いだ子が眠る車は磯の匂いに満ちて
袴田朱夏 消ゆる胸に高く積もる雪消ゆる雪消ゆるも点くか田に眠る雪
美富うをみ 眠い目を細めるように閉まるドアあっけらかんと終電は去る
山田杜魚 