天乃ふみ 知
天乃ふみ
木村槿 わたしだけが知ってるきみの声がある ママレードジャムたっぷりと塗る
瓜野櫂 蘂とふ字知りぬ 実れる心ひとつの思ひ分かれなば苦しからじも
河岸景都 サビだけは知っているから歌えるの始め方すら分からないのに
今紺しだ 不器用な者だけである 青空の説得力を知っているのは
今紺しだ 図書室の棚も廊下の黄緑も道草もアルバムは知らない
ナカムラロボ かろやかに鋏を入れる美容師は私のなかの歌を知らない
sail 先生はいいよね。ちゃんと大人だし、なんでも知ってるフリも上手いし。
瓜野櫂 不如帰またの名を魂迎鳥辞書にて知りぬ死者の歌あれば
群青二十八時半 