山形さなか

チグリスもユーフラテスも他人事でただあなたの読む本が知りたい

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てる

愛憂獲をなんか知らんが呟いて月蝕の日の麦酒月色

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三田さくら

共通の知人の通夜を不義理するきみが来そうな気が少しして

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麻衣

幸福の王子はここで朽ちゆくと燕が決めた瞬間を知らない

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味の味よし

知らないと言い通せる世の中で小さなミスで叱られる僕

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男女

木枯らしの訪れを知り身を揺する大銀杏のあった公園

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音羽凜

連休は知らないうちに変えられてオリンピックのための七月

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あまがっぱ

名も知らぬ人と並んでメシを食う松屋の席の明るい孤独

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早月くら

終わりかたを知っているから拝啓、と書きだすように切り花を買う

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三田さくら

9時間後死んじゃうことを知る由もない叔父さんがくれた「ハイチュウ」

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