塩本抄

足もとの砂を攫つてゆく波を恋に喩へてしまうのですか

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南あたた

砂も鳴けもちつもたれつ波の音夕方に聞く道かなしけれ

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チッチ

バーニーよ砂糖の銃弾用意した 好きに使えよ三十一発

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銀河

人類は宇宙から来たと小惑星リュウグウからの砂の告白

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梅鶏

僕たちが砂をこぼして帰るからだんだん西に延びる公園

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袴田朱夏

失恋でいらなくなったジンクスをこっそり砂糖漬けにして春

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麻衣

少しずつ減る日々を抱き締めたけど予定通りに砂に変わった

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麻衣

波音は思い出だけを連れ帰る 砂を指から溢して遊ぶ

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平等に星は輝く お砂糖がザクザクの飴きみにもあげる

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夢月蛍

砂の城さらさら夏が流れるよ暗夜行路の時の鐘鳴る

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