祖母

みどり

窓ごしに 別れを惜しむ 亡き祖母を 新幹線を見ては 毎度思い出す

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梅鶏

山里を祖母も離れてまたほろり、ほろり、崩れてゆく土壁が

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梅鶏

ああそうか鶏なのかとり肉は 祖母は逆さにして首を切る

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恋野つづる

鳴き方を教えた鳥に飛び方を教わる祖母がゆく空彼方

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すみ

青い日の 祖母の姿を 見てるよな 変わらなくある 浜茄子の海

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ほのふわり

ゆらゆらと新茶しずかに冷めてゆき祖母は今日さえ忘れてしまう

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北大路真彦

珈琲に渦巻くミルクかき混ぜず無言で見詰む午後五時の祖母

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土井みほ

ただここに座っていられるしあわせをつぶやく祖母は海を恨まず

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