めくらまし 窓
めくらまし
えんとつカフェ その通り、わかりますよと遠吠えにしきりにうなずく窓の赤べこ
北大路真彦 昼過ぎの窓から遠く船眺む線香まじりの海風嗅ぎつ
北大路真彦 今日もまた閉ぢられて在る硝子窓見上げ過ぎれば風は冷たし
北大路真彦 天窓のぼんやり白き日光に透かす手紙は葡萄の匂ひ
吉村おもち わたくしの社会の窓を開けるには美しすぎるルミネのトイレ
六厩めれう 窓よ窓 人間になど媚びるから嵌められもする殺されもする
今紺しだ 窓という窓が鏡に切り替わる夜景の中へ滑り出すとき
Coutarus ONAI 窓にまだ君の指紋の残りおり雨の消せない体温として
美富うをみ 