カンナ

精巧な影絵にも似た夜木立登ってゆく月あいだに透かして

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二人静

母の日に父になるよと知らせあり粋なはからい燕の巣立ち

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恋子

よしず立てゴーヤアサガオつるの伸び夕顔咲いて恋まで隠し

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恋子

いい人と言われてそうなただの人ヒールの音立て恋のお仕置き

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恋子

同窓会顔も名前も知らぬ人それでも成り立つ浮世は愉快

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ゆあ

鉄格子五七の隙間手を伸ばし綴りし紙を咥え鳩立つ

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ゆあ

雨打たれ色を濃くする紫陽花の傍らに立つバスはまだ来ぬ

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除草剤悲しくなるほど嫌われて枯れてなお立つ雑草の茎

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めるへん

毎月の記帳をすれば立ち眩みATMの扉の重さ

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上原美樹。

彼《か》の地へと いま 旅立たん 君の手と たましいに ただ すがりつく 我

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