澄水

冬の星光かそけき信実のあかしを立てて瞬いてる

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ふにふにヤンマー

三十年経ちて子らみな巣立ちゆき ひばり団地の静かなる朝

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ヒプノ寿司マイク

きみの立つポーチと知らず顔出しぬ 「NHKです」やわらかく笑む

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屁の河童

逆柱立ってる家に出たときは上下に迷う逆さ幽霊

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屁の河童

丘の上に月を背に立つ裸木の梢に動くものは鴉か

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屁の河童

伊勢の海に神代に帰る春立ちて天の戸出づる朝日子の影

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屁の河童

宿題のミスを息子に叱られて親の立つ瀬がない新学期

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みどり

老父の早朝散歩の転倒に腹が立つやら悲しいやら

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狭山茶

天井を 見つめ過ごせし 床の上 隣の人は もう旅立ったか

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みどり

立ち話 近所の人と話すのは 病気のことと 事件のことなり

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