宵闇

筆は剣だったのだろう現実の魔物の声さえ遠ざかるし

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恋子

気づくかな行間いっぱい恋なんぞ散りばめかざる乙女の筆に

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あさ

亡き父の絶筆となりし茅ヶ岳遠くに見えて吾にもの言う

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一球

授業中なんか眠たくなったから暇を潰して鉛筆かじる

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澄水

赤青の鉛筆削る何時だってナイフを使い上手に削る

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ひよっこ

友たちが輝く未来描く中 筆持ち固まるひよっこ1人

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めるへん

ひらがなの草書のようなしなやかさ筆もなめらか白さぎの首

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宵闇

書きかけの筆を休めれば雨の音続いて綴る無為の証明

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恋子

さみだれに一筆啓上わたくしの心崩れて乱れて焦れて

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恋子

初夏の候お元気ですか一筆を文字に頼ればよみがえる恋

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