はるるあお 筆
はるるあお
羹鱠 雪にさす 清らなりける 朝日さへ 示しあたはず 筆の辿り路
小野りす 筆順をおぼえられない吾子の手がちからでゑがく馬といふ文字
豚木 文字を見て達筆すぎて読めんものもある短歌にも古語が多すぎて同様のものもある
羹鱠 筆をとり 年の輪ひとつ また加え 君の歩みと ゆく我が身かな
広葉樹 陽に浴びて日に日に萎む筆柿の未だ干なくに待ち難きかな
優花凛 消しゴムで君の筆跡消すようにいっそ想いも消せればいいのに
銀河 はや一年絵の具も筆も置いたまま着衣の君に未完の裸体画
銀河 今日こそが明日こそになりいつまでも筆に絵の具を塗らぬ片想い
袴田朱夏 