恋子 芽
恋子
あさ 野菜屑埋めし土にさんさんと秋の陽降りて種等芽をふく
恋子 盆も過ぎほらもう庭に鶏頭の花芽の急ぐ秋の準備に
小野小乃々 あきらめてきた春のかずだけ深い傷をふさいで新芽がのびる
恋子 恋なんぞ芽生えて消えてうたかたの色香楽しい老いの生きざま
満月しじま 若い芽を摘むな蕾も摘むな空の青さに罪はないだろうが
綟 愛おしい 日差しに育つ 芽の中に 寂しさを見るのは いつも七月
花農家 盛り過ぎ 花は散れども 種子残し 土に還れば いずれ芽吹くか
うしめ ワワワワワとエゾハルゼミの鳴く森の根曲がり竹の新芽へし折る
新井きわ(kiwa) 