ゆりみや 落
ゆりみや
春海 あたたかさに顔のぞかせた鎖骨から 滑り落ちるはじまりの風
まちこ パレットの水彩絵の具の落ちにくさ必ず薄っすら黄色が残る
まちこ 君が星々を落としていく僕が拾い集める文化祭後に
ごいそ 森ビルの植え込みに落としたイヤホンでインストゥルメンタルを聞く
雨露 微睡みにするりと静かに落ちていく 毎夜そうなら苦労はないのに
狭山茶 サッシ窓 ひとつひとつと 散る雫 落つる速さは 二人のようで
凪海 8月の満月が落ちた暁に別の故郷で一緒にみようか
鈴しろ 「それが何」「言っただけだよ」影落とすまつ毛にわたし刺される日願う
クルクルバニー 