 みゆきち
            みゆきち    言
 みゆきち
            みゆきち     御影
            御影    精霊の 言葉もあてになるものか 鏡はいつも逆さまに見よ
 サルトビ
            サルトビ    辞世の句 戦国の世を 生きし人 いざと言う時 詠まわれしかな
 サルトビ
            サルトビ    登山家は いざと言う時 ザイル切る その厳しさよ 生き様凄し
 サルトビ
            サルトビ    施設にて まだ居てねとか 言いしかに また来てねとか すぐ話す母
 うしめ
            うしめ    縦書きのメモ笑われて事務員に日本文化をくどくどと言う
 平見翠玉
            平見翠玉    スクールバス学童に止まり傘さす子等野分前の無言の街
 夏やすみ
            夏やすみ    言えぬまま氷ばかりが溶けてゆくイチゴシロップ舌赤く染め
 夏やすみ
            夏やすみ    好きですとたった四文字が言えなくて三十一文字に想い隠して
 めるへん
            めるへん    