
言


歌詠みが言葉競わず何競う行間読めず巷間解せず

木漏れ日を受けた沼地のよう 君が「ペットを捨てた」と言った日までは

ばあちゃんの遺言「出棺のときにはマツケンサンバをながしてくれね」

2年経ち 眠る妹 伸びた背に 戻らぬ父と もの言わぬ母

加害者に 命は命で 償えと 言うは悪魔か それとも神か 167

ねえ母ちゃん、今日のお弁当良かったよ、って言えない 早くアニメが見たい

秋の背を 追いすがるよに 夏乙女 暑いんだよと 言うも寂しき

誰にでも 一つや二つ 有るんだよ 隠したい事 言えない事が 159
