読売歌壇

音羽凜

快速を各駅停車へ乗り換えるまだあたたかいバナナブレッド

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玖嶋さくら

気持ちにはたてなおすための時がいるパン生地すこし長めにねかす

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吉村おもち

海開きには対義語がないらしい 塩ラーメンを卵でとじる

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吉村おもち

ハチ公の前で約束した君をハチ公よりも先に見つける

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吉村おもち

嫌なことを嫌と言えずにいるうちに見頃が過ぎて行く百日紅

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吉村おもち

ノートから付箋が落ちていくようにあの日のこともいつか忘れる

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吉村おもち

後輩に押し付けられた残業で最上級の夜景を作る

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吉村おもち

さっきまで本名だった四文字を旧姓にする初夏の市役所

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吉村おもち

マスク越しに吹いた綿毛が飛んでいく予測できない二回目の春

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