
部屋


親切が空回りするこの部屋で花瓶はすべて陽光を向く

本を読みながらおんなじ部屋にいてあなたの焚き火わたしの焚き火

独り住む都会の部屋に聞こえしはラインのピピーンとメールのビヨーン

湯たんぽに実家の犬の名をつけてひとりの部屋を温めている

すぐ龍が帰ってくる部屋青空がいちばん見やすい場所にしなくちゃ

スマホ手に部屋で呟く「帰りたい」通知音だけでつながるぼくら

宇多田ヒカルのautomaticより部屋狭いし運動量も低い休日

夢だけがおれに残った帰れる故郷あの部屋は褪せこの部屋で醒め
