北大路真彦

図書館に逃げ込む雨の朝 遠く雷疼き思ひ出す肌

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山形さなか

止んだかと思えば降るねお互いに見計らうものばかりの1K

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玖嶋さくら

私だけ迎えの来ない俄か雨 昇降口の靴を数えた

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吉村おもち

予報士が海の色したモニターに伸びやかに描く梅雨前線

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ふぬーん

コンビニへ出掛ける夜の雨上がり 橙色の水滲む

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今紺しだ

話しかける理由になるかサエキさんが廊下で雨を見ていることは

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袴田朱夏

アイロンをゆっくりかける 雨の日は生きるかたちをすこし気にする

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光恵

雨降りの建物の中おりまして頭痛の我を慰めて欲しい

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Coutarus ONAI

窓にまだ君の指紋の残りおり雨の消せない体温として

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男女

ひたすらに呑み込んで肥大してゆく終わりなき雨粒の共喰い

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