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雲
音忘信
少年は雲を見ていた 母親はそれを大切そうに見ていた
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音忘信
塩本抄
もやひとつずつ手触りを確かめてから雲にする 電話をかける
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塩本抄
袴田朱夏
あの雲の高さから落ちたにしてはやさしい雨だ さよなら、ディラン
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袴田朱夏
恋野つづる
雲と雲 ほつれた空を縫うように青いカンバス翔けるジェット機
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恋野つづる
冬野水槽
蝉の殻 痛いくらいの群青に薄れていったきみという雲
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冬野水槽
野添まゆ子
ピュアそうな真白き雲のある空は大人みたいだ本音が見えない
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野添まゆ子
ひーろ
靴紐は不死鳥に似て何度でも結びなおせる 湧きあがる雲
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ひーろ
てる
雲のない遥かな空の上澄みを光矯めつつ遁げてゆく翳
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てる
まつたく
冬雲の重みを感じベランダへ「泣きそうね」って俺のことかよ
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まつたく
uvm
すじ雲を見上げて吸った吐くために時刻通りのバスは見送る
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uvm
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