羹鱠

東風に聞く 萌ゆる草木 うちつけに 吉野の纏う 桜花の衣

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麻衣

海風と冬の終わりがさわやかで フラれたけれど鴎になれた

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紺野水辺

花びらはサービスですと春風がビニール傘を揺らして通る

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紺野水辺

シャツというシャツを揺らした春風の帰巣時刻を告げる予報士

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塩本抄

内陸の冬に触れたる友の云うぴしぴし寒いを撫でてみる 風

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鈴木精良

みずいろの空と溶けあうネモフィラのみんな忘れてゆれている風

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かなた小秋

白味噌で豚汁作り京風と書いていいのか悩むメモ書き

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麻衣

風呂の中続けて五首を詠む私 やはり動揺しているのかも

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平日の公園をゆく風は春 幼子の声半音上がる

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千吉

風見鶏冬の魔風の命令で地獄を指して素知らぬふりよ

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