ひーろ

抱きとめる、わたしに向かってくる風はきっとさみしい風だろうから

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あの井

さや風を身体に受けるさや風というのはわたしだけが分かる風

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八重森さくら。

踊り出す冬の葉しばし眺めれば風に模様のあることを知る

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成瀬悠

北風に取られないよう猫背になって急ぎ足 枯葉転がる

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似鳥

ゴミ袋風にまかせて開くとき人間だって飛べる気がする

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たぴ岡

風景を切り取り描くだけの世界では僕の罪だけ消してくれ

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北大路真彦

昼過ぎの窓から遠く船眺む線香まじりの海風嗅ぎつ

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北大路真彦

風鈴に「忌中」の紙をぶら下げて鳴らす簾を通る涼風

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北大路真彦

今日もまた閉ぢられて在る硝子窓見上げ過ぎれば風は冷たし

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吉村おもち

あの人は島に帰って南から吹く風すべて歌に聞こえる

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