首席

梅鶏

子の出した弁当箱に齧られたウサギの耳が残されている

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梅鶏

また君は門外漢のふりをする浅瀬を足に絡ませながら

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梅鶏

思い出には少しの嘘が混じってるどこがそうかは忘れてしまう

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梅鶏

少しくらい舞っていいよと言うように銀杏並木に吹くつむじ風

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梅鶏

天命を終えて鎮まる新聞へ敬意を込めて十字に縛る

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梅鶏

星になる、神様になる、仏になる 母は私の心臓になる

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梅鶏

夏の日を出港してゆく帆のように一面の水芭蕉が揺れる

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