sail

祝日になり損なった赤色を黒マジックでなぞる母親

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今紺しだ

黒板がチョークに触れるところから絶え間なく降る重力加速度

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今紺しだ

詰めが甘い雑巾おれに貸してみと黒板受けを拭きなおす君

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三田さくら

柔道部一の巨漢の先輩の道着に黒く「細井」の刺繍

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高田月光

月光の夜は大きな黒ねこの背中みたいに海がかがやく

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まさけ

黒板に残った彼の筆跡をややゆっくりと消す昼休み

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尼崎武

黒ヤギと白ヤギみたい お互いの手紙を糧にして生きている

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朝田おきる

俺の中の武田鉄矢が黒板を「金」という字で埋め尽くしている

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