NHK短歌

袴田朱夏

軽やかに『サークルゲーム』口ずさみ母がしばしば煮るいちごジャム

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梅鶏

寝室兼台所兼書斎兼居間兼僕が泣いていた部屋

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梅鶏

道の駅の斎藤さんのニンジンは美味しいだろうこの笑顔なら

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梅鶏

寝転んでメディシンボールを持ち上げる赤子をあやすような仕草で

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梅鶏

棚湯から昇る朝日に手を合わす湯船の中の誰も彼もが

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とみた律

ホームランボールは飛んで来なくても重ね合う手のある内野席

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だいだい

二十五階の女子トイレから見下ろした東京駅は眠らない川

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梅鶏

踏み台へ登り卵を溶きながら子は一時のおふくろとなる

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梅鶏

思春期のサイレンだった 子の声は私の横で低くなってく

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梅鶏

いとし子を眠りに落とすこの歌をきっとあなたも歌うのでしょう

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