NHK短歌

ふにふにヤンマー

父の求め来し皮付きの牛たんの色と太さに魘さるる子ら

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ふにふにヤンマー

焼け跡の白黒写真に彩色を施したれば甦る花

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ふにふにヤンマー

季節ごと旅先ごとの押し花に母は短き文を添へたり

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だいだい

自転車のサドルは丸く焼かれをりマッチだらうかライターだらう

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だいだい

かけられた魔法を解いたあの日から二度と言わない「女だから」と

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梅鶏

平皿のところどころで垂れそうなカレーは母の愛だと知った

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梅鶏

二人して記念日休暇を申請しサブスクで見る名画が三つ

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だいだい

死ぬるとて鯨は泣かぬレジ袋十八枚を腹に詰めても

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だいだい

流氷にだけ聞かせてあげる男など愛したことはついぞなかった

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だいだい

母が逝き大阪の地を離れてもいいと言われたような気がした

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