NHK短歌

梅鶏

二時間のドラマだったら今まさに崖で全てを認める場面

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ふにふにヤンマー

遺されし痛みは熾火の如くあり絶やさぬやうに手を合はせ生く

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ふにふにヤンマー

血の色を重ね立ちゐる鶏頭の先の彼岸に子規は微笑む

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とみた律

後輩のレギュラーたちの活躍に拍手する手が痛い夏の日

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とみた律

コーヒーはこぼした方が目が覚める遅刻できない朝の食卓

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吉村おもち

冬眠をしないつがいとして暮らしいろんな味のスープを試す

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梅鶏

包丁を握っている手の反対の手は猫にして握らせている

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だいだい

殴られて痛いと思うより前に畳の上に鮮血が散る

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だいだい

一点の曇りもないと言い切れぬ奇妙な果実が重く垂れおり

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だいだい

ウイグルの乙女が踊る饗宴の声だけ先に屠られている

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