パパ猫

パパ猫

うまいうまいと父の手料理平らげる 母のない子に愛しさ溢るる

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パパ猫

皿洗い お湯にしなくて大丈夫 これも小さな春の喜び

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パパ猫

妻逝きてひとり足りない晩御飯 今日も近くのスーパーに行く

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パパ猫

わかってる これが最後の旅になる 君と見上げた旧軽の青空

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パパ猫

翌朝の心の軽さに立ちすくむ 君を喪う恐怖の終わり

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パパ猫

「友達と鬼ごっこして遊んだよ」愛こみあげる二十歳の我が子に

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パパ猫

夢を見た 時の尾鰭をつかまえる ベッドの君を逝かさぬように

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僕の隣は余命宣告されし君 木洩れ日揺れて 旧軽の径

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パパ猫

あと幾日君は生きられる 夜の重さに耐えかねている

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パパ猫

使わねば 力は消えゆくものと知る 脚力・腹筋 優しささえも

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