パパ猫

パパ猫

父子二人 肩を寄せ合うこの部屋を今日も夕陽は彩ってゆく

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パパ猫

水面に戻りし海鵜のくちばしで くねる小魚夕陽に照って

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パパ猫

浮かんでた海鵜は運河に潜りゆき魚が二匹水面に跳ねる

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パパ猫

あの夜に君が流したひと粒の涙の重さを父は忘れぬ

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パパ猫

積年の息子に宿いし悲しみの六月六日は解放記念日

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パパ猫

月曜の朝の憂いを幾千も地下鉄は運ぶ暗闇照らして

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パパ猫

聞こえくるたどたどしき音ようやっとピアノソナタ悲愴になりぬ

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パパ猫

黙々と身を削りゆく石鹸よ おまえのように尊く痛く

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パパ猫

争いを地上で続けるこの星も宙から見れば青いビー玉

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パパ猫

外廊下もう動けない黄金虫 緑の背中輝やかせたまま

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