パパ猫

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梅雨空を招きし花はせめてもと青空似せてアジサイブルー

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パパ猫

トラックに幼い僕を乗せて行く父の青春いま胸に迫る

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夏休み父の大型トラックであちこち旅したきらめく思い出

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目が覚めて時計を見れば丑三つ寝ていなさいと雨の子守唄

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パパ猫

雨音に誰が弾くのかジムノペディ窓の外に耳傾ける

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辞書で引く「濁る」の意味と例文が心に棘をチクチクと刺す

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百万の御託を並べたその後で意訳をすれば君とキスしたい

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紫陽花の葉の虫食いのまるい穴 水玉模様の切り絵のようだ

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パパ猫

夏草の陰に隠した秘め事を問う人なくも野守は見ずや

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紫陽花の葉っぱはよほど美味いのか幾つも穴があいており

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