パパ猫

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山越えてあなたの手紙が届く頃わたしの里はスズランの花

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パパ猫

君からの手紙待ちわび切なくて何度も開けたあの日のポスト

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パパ猫

凪の海うねりがひとつ起きるとき密かな夜の月はそぞろに

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パパ猫

口喧嘩気まずい空気を戻すのは おやすみなさいのひと言でいい

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悲しきは視力のダウン止まらずに眼鏡したまま眼鏡を探す

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クスノキの幹にも落ちる木漏れ日は夕陽と影の揺れる幻燈

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さわげさわげもっとさわげよ子供らよ歓びの声幸福の一歩

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パパ猫

どこまでも青く澄む空見て思う世界がもっと仲良くやれたら

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パパ猫

木の陰にシロツメクサは咲きはせぬ野にある草の道あやまたず

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パパ猫

振り返れば分かれ道は何度もあった自分で選んだいまこの道を

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